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シンギュラリティサロン #30

Description

講演

13:30-15:00 講演:「人工意識の脳接続主観テスト」が切り拓く意識の科学のこれから


15:00-15:30 自由討論


講師 

渡辺 正峰(東京大学大学院工学系研究科 准教授)


定員 100名(先着順・入場料無料


講演概要

 研究対象としての「意識」は、長らく哲学と科学の間を彷徨ってきた。意識の仮説を検証する術を我々が持たないためだ。素直に考えれば、意識を有する脳を用いて仮説群を検証すべきところだが、生体である宿命から、仮説検証に必要な「意識の本質」の抽出が許されない。無理に抽出しようとすれば、今度は脳が死んでしまう。ここで「意識の本質」の候補をあげるなら、哲学者のチャーマーズは、すべての情報が意識を生む(「情報の二相理論」)と主張し、神経科学者のトノーニは、統合された情報にのみが意識を生む(「統合情報理論」)と主張している。

 拙書「脳の意識 機械の意識」(中公新書)ではこの壁を乗り越えるべく、機械へと意識を宿す試み、すなわち、アナリシス・バイ・シンセシスによって意識の本質へと迫る手法を取り上げた。ここで必須となるのは、機械の意識を検証する手法である。空気がなければ飛行機械の開発がままならないように、人工意識の検証法なくして、アナリシス・バイ・シンセシスによる意識の探求は成立しない。

 私が提案するのは、「人工意識の脳接続主観テスト」[1]である。当該機械を自らの脳に接続することにより、自らの意識をもって機械の意識を”味わう”。ただし、人工網膜や人工鼓膜によっても感覚意識体験が生じてしまうように、単に脳に機械を接続すればよいというものではない。テストの可否を握るのは、機械に意識が宿った場合にのみ、脳との間で感覚意識体験が共有される機械と脳の接続のあり方だ。ヒントとなるのは、ロジャー・スペリーによって二つの意識が共存することが示された分離脳である。検証の原理が指し示されることにより、意識の科学が「真の科学」(仮説提案と仮説検証の繰り返しによる本質の追求)へと昇華することが期待される。

 最後に「人工意識の脳接続主観テスト」を思考実験として用いることにより、情報に意識が宿るとするこれまでの仮説群の問題点を指摘し、その代案として、神経アルゴリズム(生成モデル)が意識を生むとする自身の仮説[2]を紹介する。


[1] Watanabe, M. (2014). “A Turing test for visual qualia: an experimental method to test various hypotheses on consciousness.” Talk presented at Towards a Science of Consciousness 21-26 April 2014, Tucson: online abstract 124

[2] 渡辺正峰(2010)「意識」『イラストレクチャー 認知神経科学―心理学と脳科学が解くこころの仕組み』村上郁也編、オーム社


主催

シンギュラリティサロン


共催

株式会社ブロードバンドタワー一般社団法人ナレッジキャピタル


Sat Jul 7, 2018
1:30 PM - 3:30 PM JST
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一般(無料) FULL
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大阪府大阪市北区大深町3−1 グランフロント大阪北館7F Japan
Organizer
シンギュラリティサロン
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